2班の報告が終了しました
2005-10-28


2班は個別のテーマについての報告で、「長時間残業による過労死」についてでした。 3年生のこの時期、就職活動も始まりつつあることもあって、ゼミ生全員が興味を持って報告に聞き入っていたようです。

ゼミ初ですが、パワーポイントを使っての報告ということもあり、色々なデータや資料を紹介してもらいました。 さらに、「長時間労働による過労自殺と使用者責任」に関連する判例として、最判平12年3月24日・判時1707号87頁について詳細な報告がありました。

今回の報告によって、会社における被用者のおかれた状況の一端が理解できたのではないかと思います(すべての会社が従業員に厳しい残業を課しているわけではありませんが…)。

この後期は、資格試験組みを中心とした「事例問題研究班」と就活組みを中心とした「個別テーマ報告班」とに分けて、交互に報告をしてもらう予定となっています。 今回の2班は個別テーマ報告の初回でしたが、こちらの意図をしっかりと汲み取った報告となっていました。

なお欲を言えば、一般的な過労死への対策に加えて、当該判例が一般社会(とくに会社)に与えるであろう影響に具体的に言及してもらえるとより良かったと思います。 たとえば、当該判決が使用者責任という不法行為構成を採用し、安全配慮義務による債務不履行責任構成を採らなかったこと、また、使用者の側による過失相殺の主張を認めなかったことについて、「職場における過労死」の問題解決について、どのような重要性を有するのでしょうか。

過失相殺を一切認めなかった点で会社にとって少々酷な判決のようにも思われますが、職場の安全性向上の意識を加速させるためには強いインパクトが必要なのかもしれません。 いずれにしても、今後なお一層考えを進めて欲しい重要なテーマだと思います。

[ゼミ活動]

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